Japanese
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特集 運動負荷と心電図
運動負荷試験とP波
Exercise testing and electrocardiographic P wave
日浅 芳一
1
,
森 博愛
2
,
高橋 学
2
Yoshikazu Hiasa
1
,
Hiroyoshi Mori
2
,
Manabu Takahashi
2
1小松島赤十字病院循環器科
2徳島大学医学部第2内科
1Komatsujima Red Cross Hospital
22nd Dept. of Intern.Med., Univ. of Tokushima
pp.1135-1139
発行日 1981年11月15日
Published Date 1981/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203869
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I.P波の臨床的意義
心電図P波は他の棘波に比べて低振幅であり,従来,心房機能も心室に比べて重視されていなかったこともあり,P波についての系統的な検討は十分されていなかった傾向がある。しかし,近年,左心房の機能が高血圧性心疾患,虚血性心疾患特発性心筋症などの左室負荷疾患における動態の変化を敏感に反映することが知られてきた。その結果,心電図P波の臨床的意養についても再び注目を集めるようになった。
Taraziら1)は,高血圧症群においては,正常群に比べて心電図上の左房負荷所見が高率に認められ,これらは冠硬化や心拡大を伴わなくとも出現し,時には高血圧症の唯一の異常心電図所見である場合があることを指摘している。また,Cohnら2)は,高血圧性心臓病の血行動態的特徴を検討するために,長期間の病歴を有する高血圧症で,心不全状態にある例と,同程度の高血圧を示すが現在まで一度も心不全所見を認めない例の2群の血行動態を調査し,収縮期血圧,心拍数,心係数,stroke work indexおよび左室拡張終期容積については両群間に差を認めなかったが,心不全合併群の左室充満圧は非合併群のそれに比べて著しく高いことを指摘している。
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