Japanese
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解説
急性呼吸不全に対するECMOによる治療の現況
The Present Status of Clinical Extracorporeal Membrane Oxygenation (ECMO) for Severe Acute Respiratory Failure
小林 紘一
1
Koichi Kobayashi
1
1慶応義塾大学外科
1Dept.of Surgery, Keio Univ.
pp.835-843
発行日 1981年8月15日
Published Date 1981/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203820
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呼吸不全が重篤になると吸入気酸素濃度(FiO2)を高めたり,PEEPを用いた機械呼吸で強制的に換気を行っても低酸素血症の改善がむずかしくなることがある。このような症例に対し,1960年代になり膜型人工肺を用いた体外循環で患者の肺機能を一時的に補助して血液の酸素加をはかり,その間に傷害された肺の修復を期待し,患者に生存の機会を与えようとする試み—Extra—corporeal Membrane Oxygenation (ECMO)—が行われるようになった。
1972年,Hill1)らにより外傷後呼吸不全(ショック肺)患者に対するECMOによる治療の成功例がはじめて報告されたが現在までにアメリカ合衆国,カナダ,ヨーロッパ諸国,日本などで約250例の患者にECMOによる治療が行われ,その成功率は約15%といわれている2,3)。
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