Japanese
English
特集 カテコールアミンをめぐる諸問題
心筋細胞へのカテコールアミンの作用機序
Mode of action of catecholamine on the myocardial cells
後藤 昌義
1
,
兵働 孝子
1
,
蜂須賀 正光
1
Masayoshi Goto
1
,
Takako Hyodo
1
,
Masamitsu Hachisuga
1
1九州大学医学部第2生理
12nd Dep. of Physiology, Kyushu Univ.
pp.683-691
発行日 1981年7月15日
Published Date 1981/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203796
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心筋におけるカテコールアミンの作用については,生理学的にまた薬理学的に留意すべき2〜3の重要な特徴がある。まず第1に,カテコールアミンの受容体にはα,β,Dopamine受容体など種類があり(Lefkowitzら,197625);Levitzki,197826)),それらの分布には動物種また心筋の部位による著しい相違があることである。動物種,心筋の部位,使用薬物の濃度を規定しない限り実験結果の混乱をさけることはできないであろう。
第2の特徴としてはカテコールアミンが作用するシナプス後膜postsynaptic membraneは,一般の神経シナプス,筋終板部のように「非興奮性」の細胞膜ではなく,複雑な「興奮性」を示す心筋形質膜excitable membraneそのものであるということである。ゆえに心筋における伝達物質の作用は単にシナプス後膜の受動的な膜透過性の変化をもたらすのみならず,能動的かつ複雑な膜の興奮電流に多様な影響を及ぼす。
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