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特集 カテコールアミンと心臓
心筋梗塞とカテコールアミン
Myocardial Infarction and Catecholamine
上羽 康之
1
Yasuyuki Ueba
1
1神戸大学医学部第1内科
11st Dept. of Intern. Med., Kobe Univ.
pp.1137-1142
発行日 1980年10月15日
Published Date 1980/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203651
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臓器機能に合目的性なしに変化が生じた場合,生体は神経・体液性因子を用いて,その機能の回復をはかる機構を作動するが,心筋梗塞発症時にも,心機能の回復のために,交感神経活動等に変容の生じることが当然予想される。このような場合の反応が,常に生体にとり合目的性を有するか否かについては,現在まで種々論議されるところであり,この点につき若干の検討を加えた。
心筋梗塞発症の例の臨床経過と,尿中カテコールアミン排泄量の変化をみると,図1はその重症例であるが,発作直後より,尿中カテコールアミン排泄量の著しい増加が認められる。本症例は発作直後より,ショックを合併し,血圧是正のために昇圧アミンとして,体外性にノルアドレナリンの点滴投与を行っているが,その際の尿中カテコールアミン排泄量に匹敵する交感神経活動の亢進が発作時に生じたものと考えられる。またアドレナリンもノリアドレナリンと同様,著増が認められる。
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