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I.はじめに
1971年著者1)は,カテコールアミン(CA)を含む神経伝達物質の受容体(レセプター,receptor,Rと略)について総説したが,当時はRそのものの化学的研究が発展し始めた時期で,Rと特異的に結合する神経伝達物質CAとその類似物質であるR-作動薬(agonist)およびRと結合して神経伝達を遮断するR-拮抗薬(antagonist)の三次構造よりRの構造を類推するという研究方法が中心であった。現在でもこの方法は依然重要であるが(吉岡,田村2)および栗山3)の総説を参照),最近,CA-Rと特異的に結合する放射性標識物質を用いてCA-Rの定性定量を行なう試みが進歩している。この方法は,アセチルコリン-Rに特異的な神経毒蛋白質4)や,opiate-Rに特異的なendorphin(enkephalinなど)の成功例にみられるように有力な手段である。またCA-RとCAの結合によりアデニレートサイクレースが活性化され,後シナプス側でサイクリックAMP(cAMP)が増量することを指標とするCA-Rの研究方法は,ドーパミン(DA)-Rとβ-Rの研究にことに有用である。
最近のCA-Rについての文献は膨大な数におよび,とくに著者が興味をもった文献と,著者らのヒト脳でのDA-Rと結合するアデニレートサイクレースの最近の研究5)を中心に解説し,国内国外の重要な文献で省略したものも多いことをお許しいただきたい。
Summary
Catecholamine receptors are macromolecules, probably proteins, localized on the cell membrane, and interaction between eatecholamines and receptors triggers a cellular response. Three main types of catecholamine receptors, i.e., β-adrenergic, α-adrenergic and dopamine receptors, are classified. β-adrenergic and α-adrenergic receptors may be subdivided into two further functional subclasses, β1 and β2, and α1 and α2, respectively. These catecholamine receptors can be identified by binding assay with an appropriate radioactive ligand (agonist or antagonist) which serve as a probe for the receptor.
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