今月の主題 心膜疾患の臨床
心膜疾患の診断
心エコー図
藤井 諄一
1
,
久保木 正夫
1
,
渡辺 熈
1
,
加藤 和三
2
Jun-ichi FUJII
1
,
Masao KUBOKI
1
,
Hiroshi WATANABE
1
,
Kazuzo KATO
2
1心臓血管研究所付属病院・内科
2心臓血管研究所付属病院研究所
pp.24-27
発行日 1980年1月10日
Published Date 1980/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216358
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はじめに
心臓をとりまく心膜(visceral pericardium)は腑側心膜と体側心膜(parietal pericardium)より成り立っており,外部からの物理的な刺激や周囲組織からの感染波及から心臓を守り,さらに心臓の過剰な動きや心室の過伸展を防止するなどの役割を有すると考えられている.
心膜腔には通常,生理的には20 ml前後の心膜液が存在するが,種々の原因による心膜炎や粘液水腫などではしばしば大量の心膜液が貯留し,いわゆる心タンポナーデを呈するに到ることもある.また心膜炎の治癒過程では心膜の肥厚,拘縮を主とする慢性収縮性心膜炎の形をとることも多く,その際,心臓の拡張期充満が著しく障害される.
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