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特集 心臓の大きさ
X線からみた心臓の大きさ—心拡大にかんするX線学的な定量的および定性的評価について
Heart size on the chest X-ray
村松 準
1
Jun Muramatsu
1
1北里大学内科
1Dept. of Int. Med., Kitasato Univ.
pp.229-236
発行日 1981年3月15日
Published Date 1981/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203730
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胸部X線検査は,広く一般に普及された方法であり,心・肺における疾病および病態にかんする診断学的価値と臨床的応用性が古くから認められ,現在ではすでにルチンの検査法になっている。心の解剖学的および機能的異常性の評価にかんしては,個々の心腔の拡大,または大血管の拡張と延長とともに,心全体としての大きさの評価も重要であり,種々の方法が臨床に応用されている。心の著しい容量負荷,および圧負荷に続発する血行力学的代償不全,または心筋障害(心筋不全),さらに慢性または急性心不全のさいには,Starling法則にしたがって心腔拡大が生じ,心陰影が大きくなる。しかし,減負荷治療または心不全の改善などに伴ない,心腔が縮小すれば,心陰影は小さくなる。これら心腔におけるX線学的変化は,肺野ならびに大血管陰影の変化とともに,臨床的および循環力学的にきわめて重要な情報の一つである。
心の大きさの評価法としては,心の大きさを定量的(または半定量的)に評価する方法と,定性的に各心腔の異常性を評価する方法との二つがある。
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