今月の主題 心不全診療の動向
心不全の治療法—適応と使用上の注意
カテコールアミン
松村 研二
1
1東京女子医科大学付属日本心臓血圧研究所・内科
pp.40-41
発行日 1985年1月10日
Published Date 1985/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219570
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心不全の治療薬としては,ジギタリス,利尿剤などがいままで一般に使用されてきた.しかし,心筋梗塞,弁膜症,心筋症などの基礎心疾患のある重症心不全例には,これらの治療薬では不十分で,心不全のコントロール不能のことも多かった.とくに,心機能が極端に悪く,ポンプ機能として低下が著しい低心拍出状態の場合には,心収縮力増強剤が必要となる,このため,種々の薬剤が開発され使用されるようになった.
カテコールアミン剤,とくにドパミン,ドブタミンは,心収縮力増強作用が強く,かつ血圧,心拍数をあまり変化させないという利点があり,近年,多く使用されるようになった.心不全の治療薬としてのカテコールアミンには,ドパミン,ドブタミン,ノルエピネフリン,イソプロテレノールなどがあり,それぞれ作用機序が異なり,それぞれの薬剤の特徴となっている.以下に述べるように,治療目的と薬剤の作用機序をよく考え,使用剤と使用量を決めることが大切である.
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