解説講座 鼎談
カテコールアミンについて(2)
吉田 博
1
,
菅野 富夫
2
,
大塚 正徳
3
1大阪大学医学部薬理学教室
2東京大学医学部生理学教室
3東京医科歯科大学医学部薬理学教室
pp.75-82
発行日 1969年4月15日
Published Date 1969/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902802
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□分泌について□
大塚 Vesiclcの表面の皮が残るという点についてお話し下さい。
吉田 クローム親和性顆粒中にある例の蛋白に対する抗血清を用いて,その特殊な蛋白を定量しますと,カテコールアミンの分泌が起こる際,その蛋白は灌流液中に,すなわち細胞外にポーンと出てくる。しかし,細胞質の中には見出すことができない。だから,中身だけが出たのだというわけです。そのほかに,もちろん,ATPがそのままあるいは水解されADP,AMPとなつて出てきます。それから,クローム親和性顆粒だけを取つてきて,低張に処理しますと,中味は全部出てしまい,カラだけが残る。カラに何があるかといいますと,ATP aseとdopamine β-hydroxylaseがあります。いまカテコールアミンを分泌させるとき,dopamine β-hydroxylaseなど顆粒膜にあるものは外側へ出ないと言われています。
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