Japanese
English
Bedside Teaching
急性心筋硬塞に伴う心臓破裂時の心電図所見
Electrocardiographic findings during cardiac rupture complicating acute myocardial infarction
望月 茂
1
,
仁木 偉瑳夫
1
,
水谷 孝昭
2
,
桐山 利昭
2
,
和田 勝
2
Shigeru Mochizuki
1
,
Isao Niki
1
,
Takaaki Mizutani
2
,
Toshiaki Kiriyama
2
,
Masaru Wada
2
1国立八日市病院内科
2京都第一赤十字病院第2内科
1Dept. of Inter. Med., Yokaichi National Hospital
22nd Dept. of Inter. Med., Kyoto 1st Red Cross Hospital
pp.737-742
発行日 1980年7月15日
Published Date 1980/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203597
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急性心筋硬塞の合併症としての心臓破裂は,1647年William Harvey1)によって初めて記載された。心臓破裂は循環不全(ショック,心不全),不整脈につぐ急性心筋硬塞の大切な死因の1つである2,3)。最近の近代的なCCUの発達,有効な抗不整脈剤の開発,除細動器や心臓ペースメーカーの普及,循環不全に対する補助循環の応用などの結果,心臓破裂は急性心筋硬塞治療上残された課題として近年ますます注目を浴びている。心筋硬塞に伴う心臓破裂には,心室自由壁の破裂(Rupture of the free wall),心室中隔穿孔(Rupture of the inter—ventricular septum),乳頭筋断裂(Rupture of the papillary muscle)の3種類があるが,頻度として圧倒的に多いのは心室自由壁の破裂があり,一般に心臓破裂といえば心室自由壁の破裂を意味していることが多い。
このように急性心筋硬塞の死因の中でも重要な位置を占めつつある心臓破裂の予防および早期診断はきわめて大切である。近年心臓破裂の手術成功例も報告されており4〜6),早期診断の重要性が強調されるゆえんである。
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