特集 気管支平滑筋の攣縮をめぐって
気管支喘息とCyclic nucleotides
佐竹 辰夫
1
,
龍華 一男
1
,
高木 健三
1
,
阪野 日出男
1
,
加藤 政司
1
,
横山 繁樹
1
1名古屋大学医学部第2内科
pp.583-589
発行日 1980年6月15日
Published Date 1980/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203575
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1958年Sutherlandら1)によりcyclic 3,5'adenosinemonophosphate (cAMP)が,また,1963年Ashmannら2)によりcyclic 3',5' guanosine monophosphate(cGMP)が各種ホルモンの細胞内2nd messengerとして見出されたが,最近まで測定に困難があり,加えて気管支では組織構成が不均一なこともあり,喘息発作時における意義についての具体的な実験成績には乏しかった。しかし,最近では高感度のradioimmunoassay法が開発されるに及び,ごく微量しか存在しないcGMPの測定さえ可能となったので,喘息発作時,とくに気管支平滑筋収縮に関するcGMP,cAMP,Ca++の役割やその相互関連が注目を浴びるようになった。
本論文では,現時点における理論的考察,および著者らのアプローチについて述べ,これらの問題の将来への展開に寄与したい。
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