特集 気管支平滑筋の攣縮をめぐって
気管支喘息における気道のHyperreactivityと,関連する諸問題
Simonsson, B.G.
2
,
山川 育夫
1
1名古屋大学第2内科
2Lund Universitet, University Lung Clinic Sweden
pp.575-582
発行日 1980年6月15日
Published Date 1980/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203574
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1960年,Tiffeneau1)は「broncho-vasomotor appara—tusのexcitabilityの亢進,すなわちexcitabilityの閾値の低下は,気管支喘息の病理学的根底をなすものであり,発作時にみられる気管支収縮発現のための必要条件である。気管支の収縮は,アレルギー反応,精神的緊張,刺激物質吸入時の反射などにより惹起される」と述べている。現在も気管支の非特異的なhyperreactivityは気管支端息(Bronchial asthma,以下BA)の病因の中でもきわめて重要なものと考えられている。
気管支のhyperreactivityは,気管支収縮をおこす種種の非抗原性刺激に対する気道のsensitivityの亢進,と定義できる。もっともありふれた因子は,非アレルギー性物質の吸入であるが,この他にも強制換気,過換気,運動などの生理的な因子も含まれる。
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