Japanese
English
Bedside Teaching
まぼろしの病"ARDS"
A phantom disease, "ARDS"
天羽 敬祐
1
Keisuke Amaha
1
1東北大学医学部麻酔学教室
1Dept. of Anesthesiology, Tohoku Univ.
pp.477-484
発行日 1980年5月15日
Published Date 1980/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203563
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ARDS(adult respiratory distress syndrome)がある種の重症呼吸不全の名称として,一般に用いられるようになってすでに久しい。周知のごとくこのARDSなる名称は,1967年にAshbaugh, Pettyが通常の治療には反応しない成因の異なる重症呼吸不全患者12名について記載し,これらの症例は臨床的にも病理的にも未熟児のrespiratory distressに似ていると報告し1),1971年に同じくPetty, Ashbaughがこれらの疾患を総括してARDSとする提案を行ったのがはじめである2)。以来,ARDSに関するおびただしい数の基礎的,臨床的研究が行われてきた。しかし今もってARDSの本態は全く不明であり,確かな治療法の手がかりさえつかめていない現状である。
ARDSとは一体,どんな病気なのだろうか?1978年京都で行われた第13回世界胸部疾患学会ではARDSのシンポジウムが行われ,1979年の第7回日本救急医学会でもARDSがシンポジウムに取り上げられている。
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