病院を考える・1
まぼろしのkey-stones
鈴木 淳
1
1病院管理研究所
pp.47-51
発行日 1969年2月1日
Published Date 1969/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203561
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死にいたる‘病院’
病院という外国語はフランスではl'Hôpital,英米ではHospitalである.これらのことばは死語である.すくなくとも,いままでに一度は捨てられたことがある.
それはフランス革命のころであった.フランスの最盛期,ルイ王朝がけんらんと花咲ける日々,パリの街々には捨て子4万,病弱浮浪者4万,傷病者2万5000が頼るべき人もなく,食を求めてさまよっていた.時の大王ルイ14世は社会不安を防ぐためにいくつかの病院を建てたが,新設病床数は医療需要をはるかに下回っていたし,新病院も既設とおなじ運営方法で管理された.
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