Japanese
English
Bedside Teaching
抗うつ剤による心臓障害
Cardiac disorders induced by antidepressant drugs
松田 三和
1
Mitsukazu Matsuda
1
1榊原記念病院内科
1Sakakibara Heart Institute
pp.141-146
発行日 1980年2月15日
Published Date 1980/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203516
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向精神薬が心臓血管系に対して種々の影響をあたえ,時には投与中に突然死する症例があることもよく知られている。向精神薬の中でも抗うつ剤は精神科領域のみではなく,内科,小児科をはじめとして各診療科においても広く用いられており,今後,一そう使用頻度がますものと思われる。うつ病の本態はまだ十分に解明されてはいないが,脳内の神経伝達物質であるNorepinephrine,Dopamine, Serotoninの代謝障害が関与すると考えられている。抗うつ剤の作用機転もこれらの物質と関連するものと思われるが,これに伴って循環器系にも影響を与える可能性があることが予測される。実際に抗うつ剤の心臓作用に関する実験的検討や臨床報告は少なからず見うけられ,十分に副作用を理解した上で注意深く投与すべき薬剤と思われる。
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