Japanese
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研究と報告
新抗うつ剤Dimethacrinの使用経験
Erfahrungen mit einem neuen Antidepressivurn Dimethacrin
木村 敏
1,2
Bin Kimura
1,2
1京都大学医学部精神医学教室
2水口病院
1aus der Psychiatrischen und Nervenklinik der Universität Kyoto
2Minakuchi-Hospital
pp.417-422
発行日 1968年5月15日
Published Date 1968/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201339
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Ⅰ.序論
最近数年間における種々の抗うつ剤の出現は,うつ病の臨床だけではなく,その精神病理学に対しても,新しい時代をもたらしたといえる。精神病理学が治療の学としての臨床精神医学につねに根ざしているべきである限り,われわれ精神病理学者にとつて,向精神薬物の臨床効果はただ単に関心の的となるだけではなく,積極的に取組まねばならぬ課題ですらある。以下の報告は,このような著者の精神病理学的な立脚点に立つて書かれたものであることを最初に強調しておきたい。
ここに報告する新しい抗うつ剤Dimethacrinは,スイスのSiegfried社がWagner-Jaureggの指導のもとに開発した製品(商品名Istonil)であつて,その化学構造は9,9-dimethyl-10-dimethylamino-propylacridan Bitartratであり,抗うつ剤としては,Diphenylmethan誘導体のMelitracenおよびDiphenilamin誘導体のImipraminと構造上の近似性を有する。
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