Japanese
English
解説
腎透析後の肺機能
Respiratoy function after hemodialysis
近藤 有好
1
,
来生 哲
1
,
斎藤 元
1
,
中俣 正美
1
,
五十嵐 英夫
1
,
平沢 由平
2
Ariyoshi Kondo
1
,
Satoru Kioi
1
,
Hajime Saito
1
,
Masami Nakamata
1
,
Hideo Igarashi
1
,
Yoshihei Hirasawa
2
1新潟大学医学部第2内科
2信楽園病院
12nd Dept. of Int, Med., Niigata Univ.
2Shinrakuen Hospital
pp.123-128
発行日 1980年2月15日
Published Date 1980/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203511
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腎不全の重要点合併症の1つとして尿毒症肺(uremiclung)が古くから知られている。びまん性肺陰影と心拡大,低酸素血症などを特徴とするこの病態はかつては非可逆的であるとして恐れられたが,腎透析法の導入により早急に改善されることが明らかにされ,その原因は左心不全による肺浮腫が主因ではなかろうかと推測されるに至った。確かに一昔前まではこのような重症例が多数あり,ここで取り上げる透析後の肺機能も,これらの症例を対象とするのが妥当であると考えられた。しかし,腎不全の診断が早期に行われその管理が行き届いた今日では,尿毒症肺に至る遥か前に腎透析が実施され,尿毒症肺そのものをみることも少なくなった。従って,腎透析後の肺機能もそのような重症例を対象とするのではなく,社会復帰中の慢性透析患者において,透析前後の肺機能の比較や,透析に関連して生ずる問題点を主眼に論ぜざるをえなくなったし,また,その方がより現実的であるように思われる。かかる観点から過去の研究を振り返ってみると,これに関する研究は必ずしも多くない。そこで,私共は慢性透析患者12例について,新らたに透析前後の肺機能や血液ガスを測定し,その成績を中心にこの問題を論ずることとした。
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