巻頭言
心臓外科と心筋被護
橋本 明政
1
1東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所外科
pp.111
発行日 1980年2月15日
Published Date 1980/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203509
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傷める心臓を開心術で治療有る場合,手術侵襲が全くないならば手術効果のみを期待できる訳である。しかし実際には麻酔,開胸,体外循環,大動脈遮断によって心筋虚血を強いるてとなどの侵襲が加わり,特に開心術中の大動脈遮断時の心筋被護の如何は術後の低心拍出症候群や死亡に密接に関係する。
この大動脈遮断時の心筋被護に関しては開心術の創始期から種々の工夫がなされてきているが,現在のように重症例を扱って手術成績を向上させるためにはさらにこの問題が重要となってきており,生理学的,生化学的そして解剖学的にもますます研究が必要である。
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