実践報告
看護護部から始める継続医療
藤澤 やゑ子
1
,
高橋 真紀
1
,
熊谷 英子
1
,
佐々木 慶子
1
,
鈴木 栄
1
,
大西 良子
1
1東北大学医学部附属病院
pp.876-883
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901544
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継続医療部の立ち上げ―看護から医療を発信する
発足までの経緯
当院は,特定機能病院であり,ベッド数1272床,2:1看護の大学病院である。診療報酬の見直しをきっかけに,1998年より在院日数短縮が推進された。入院患者が計画的,かつ速やかに家庭や社会に復帰できるよう,「退院時診療計画書」は定着していた。しかし,医師から退院許可が出ても,患者や家族が健康への不安を抱えて退院に踏み切れないケースや,いわゆる社会的入院の様相を呈するケースもあり,在宅療養への移行を支援する部署があればいいと言う声が上がっていた。
そこで,もし在宅療養への移行を支援する部署(仮に継続医療部とする)があれば,どのくらいの利用患者がいるか,1998年の11月と12月に各診療科の看護師長へアンケートをとったところ,病棟では対応が不十分であると感じられる患者数は141名にも上った。具体的な理由としては,コーディネーターが必要,訪問看護が必要,などが挙げられていた。また,そのような患者に誰が対応しているかという問いに対しては,ほとんどの科が看護師長と答え,副看護師長や医師も含まれていた。各科で個別に対応するよりも,専門の担当者を決めたほうが効率的であり,知識やノウハウが蓄積される。そのような担当者がいる継続医療をサポートする部署があれば,患者・家族共に安心して在宅医療に踏み切れるという回答も多く寄せられた。
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