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DESK・メモ—回護の弁
遠
pp.405
発行日 1964年7月15日
Published Date 1964/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202850
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すでに,本号第7頁に次号(第28巻第8号)の予告を掲げて大要を略示したように,「公衆衛生」はいまや一新の気運を呼しつつある。久しく伝統の旗幟をかかげ,多くの読者の眷顧を得てき上た本誌が,夙く「公衆衛生学雑誌」の時代を脱皮して「公衆衛生」と装を改めて以来,一途に学と実践の架橋を企図してきた。顧て現下の趨勢を卜するに,十年一狐裘すでに時流に先後して公衆の衛生と保健を公論するには今一趣の新装を工夫すべき時期と思われる。陽春白雪の詩には和するもの少なしとあるが,読者の要望に応えた企画と編集を考えるとき,強弩の末勢を再び振起して刷新の面目を呈さねばならない。
刷新の焦点は,再び静穏の学堂に眼を転ずることにはない。かと言って,活溌々地の実践のすがたをただ報告しようというのでもない。望む所はやはり「公衆術生活動における学と実践との架橋」にある。活動に理論を賦し,実践に体系を課することが目的の一であるが,それで尽きるのではない。理論や体系に実践活動の血肉を与えることも目的の他の一である。その意味で,学と実践の両面に公衆衛生の「方法」を提示する雑誌を本誌は意図する。
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