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特集 呼吸生理の諸問題
呼吸調節系における頸動脈体の役割—高山における馴化,代謝性アシドージスおよび洞神経切除にもとづく考察
Review Lecture:The role of the carotid bodies to respiratory regulation studied by altitude acclimatization, metabolic acidosis and denervation
J. W. Severinghaus
1
,
R. Crawford
1
,
G. Irsigler
1
,
M. J. Stafford
1
,
本田 良行
1Cardiovascular Research Institute and Department of Anesthesiology, University of California San Francisco Medical Center
pp.25-27
発行日 1980年1月15日
Published Date 1980/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203494
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ヒトの安静時における呼吸は,頸動脈体(C. B.)と延髄腹側表層の化学受容器との両方からのドライブによって維持されている。最近まで,平地におけるこのC. B. の役割は約15%位にしか過ぎないとされていた。従って,安静換気量を6lとすれば,0.15×6=0.9l/minがC. B. 由来の換気とされてきた。
一方,脳脊髄液(CSF)もしくは延髄表層の細胞外液(ECFe)のpHは比較的よく一定に保たれ,高山馴化のときなどもHCO3−濃度が変化してpHが変らないと思われてきた。もし,そうであれば,高山馴化後の換気量は,中枢化学受容器に由来の約5l/minは不変で,残りはC. B. 由来のHypoxiaにもとづく換気亢進の方ということになる。4,000mでの高山馴化後のこの値は2〜3l/min位にしかすぎない。
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