Japanese
English
綜説
患者の「体力」と酸素運搬能
Stress tolerance of patients and its relation to oxygen transport capacity
諏訪 邦夫
1
Kunio Suwa
1
1東京大学医学部麻酔学教室
1Dept. of Anesthesiology. Univ. of Tokyo
pp.1156-1163
発行日 1979年11月15日
Published Date 1979/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203456
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現に治療の対象となっている疾患の他に,それとは直接関係のない合併症を患者がもっているというのは決して稀れなことではない。この場合,医師にとっては合併疾患の正確な診断分類病態など,重要でないとはいえないとしても,より大きな関心事は,その合併疾患が原疾患をのり切る「抵抗力」,「体力」,「スタミナ」に如何に影響するか,という問題である。
筆者の業務である麻酔の仕事において,それがただ,「いかに患者を眠らせておく」のみであったら,患者の体力をほとんど要することはないものである。ところが麻酔を施行した上で手術をし,それにはいろいろと手こずることもあり,組織器官を種々に損傷し,大量の出血を招き,ということになるとそうしたストレスを克服するためには患者の「体力」が要求される。さらに術後の修復過程においては,一般に代謝の亢進がみられるから「体力」への要求度は高いものである。
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