Japanese
English
症例
降圧療法にて救命しえた解離性大動脈瘤の1例—特に急性期における薬物療法(Trimetaphan)について
A case report of acute aortic dissection successfully treated with antihypertensive drug
三谷 頼永
1
,
大柳 光正
1
,
木村 道
1
,
気比 陽
1
,
安藤 博信
1
,
河合 喜孝
1
,
山根 暁一
1
,
岩崎 忠昭
1
,
依藤 進
1
Yorihisa Mitani
1
1兵庫医科大学第1内科
1The First Department of Internal Medicine, Hyogo College of Medicine
pp.539-546
発行日 1979年5月15日
Published Date 1979/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203372
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解離性大動脈瘤は,比較的稀な疾患であり,1年間に100万人につき約5〜10人の割合でみられ,一般に急激に発症して,複雑な病態を示し,今日においてもなお内科的にも外科的にも充分な治療成績をあげられない予後不良の疾患の一つである。解離直後の死亡はむしろ少なく,主な死因は解離の進展に伴う破裂によるものであり,近年解離の進展を阻止する上に,Wheatら1)の提唱した降圧療法の意義が認識されるようになり,内科的に取扱われる症例も増加してきている2,3)。
今回我々は,強力な降圧療法を行なう事によって救命しえた,解離性大動脈瘤の1例を経験したので報告する。
A 55-year-old man who had a history of hypertension for four years was admitted to the hospital because of severe back pain. In the morning of 1st March 1978, he experi-enced the abrupt onset of severe back pain.
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