増刊号 臨床化学実践マニュアル
II.日常検査における異常値への対応
4.糖・糖関連成分,有機酸成分
(1)糖・糖関連成分
中尾 義喜
1
,
梶川 達志
1
,
多田 達史
1
1香川医科大学附属病院検査部
pp.97-105
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901500
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■糖:グルコース
1.日常検査法(表1)
1)GOD-POD法
D-グルコースには光学異性体があり,α-D-グルコース(36%)とβ-D-グルコース(64%)の2種類が存在している.グルコースオキシダーゼ(GOD)はβ型への基質特異性が高く,α型へはほとんど作用しない.α型からβ型への変換には少し時間がかかるため,反応を短時間で行うには,ムタロターゼにより,α型からβ型への変換を行う必要がある.
D-グルコースは,酸素(O2)存在下でGODによるD-グルコン酸と過酸化水素(H2O2)を生ずる.
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