ファロー四徴症根治手術時の血行力学的および流体力学的パラメータの検討—他の先天性心疾患群との対比

Study of fluid dynamical parameters in the aortic root during open heart surgery for tetralogy of Fallot

　心血管系はポンプである心臓と導管である血管とからなる比較的単純なシステムである。その閉鎖循環系を血液が流動している。したがってその現象を流体力学的観点から把握し検討することは方法論的に妥当であろう^1）。しかしヒトにおける流体力学的パラメータの実測値は計測技術上の問題点からきわめて報告が少ない。著者らは開心術時には圧トランスデューサで血圧を計測すると同時に，電磁血流計を用いて大動脈血流を計測している。それらを同時に記録し，検討することによって，血行力学的パラメータのみならず，流体力学的パラメータも算定できる^2）。開心術中ではあるがさまざまなパラメータを求めファロー四徴症群を中心に，その他の先天性心疾患群を対照としてそれらを比較，検討した。

Peak Reynolds number, Strouhal number, Frequency parameter, peak and mean velocity in the aortic root were obtained during open heart surgery in 119 patients witn congenital heart diseases after intracardiac repair. Blood flow in the aortic root was measured using an electro-magnetic flowmeter and aortic or radial arterial pressure, using a pressure transducer.