Japanese
English
Bedside Teaching
酸塩基平衡障害における代償と合併
Compensation and complication of acid-base disturbances
太田 保世
1
Yasuyo Ohta
1
1東海大学医学部生理学教室
1Dept. of Physiology, Tokai Univ.
pp.1081-1086
発行日 1978年11月15日
Published Date 1978/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203273
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
酸塩基調節は,生体のpH恒常性機序の維持を目的とするといってもよい。たとえば解糖系の酵素機能がpHによって変化するように,生体の細胞機能が維持されうるpH環境にはある制限範囲があって,水素イオン濃度で16から160 nano Eq/l, pHにして7.80から6.80ほどの狭い範囲である。
酸塩基平衡障害によって惹起される異常を,正常範囲内に戻そうとする生体の働きが代償,補正であり,pHの変動幅を小さく抑える機転が緩衝である。このうち,代償作用とそれに伴う変化は,しばしば酸塩基平衡障害の診断と治療とを困難なものとし,とくに,代償であるか合併であるかの判断が容易でないことがある。
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.