呼と循ゼミナール
肺内水分量の測定(8)—直接法(III)
佐川 弥之助
1
1京都大学結核胸部疾患研究所臨床肺生理学部
pp.621
発行日 1978年7月15日
Published Date 1978/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203213
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Pearce, Yamashitaら1)はisotopeを用いたdouble indicator dilution methodによる血管外肺水分量と死後の直接法によるそれとを対比させようとして,次のような方法で死後の血管外肺水分量を測定している。
すなわち,イヌを用いて,レスピレーター装着下に開胸し,肺門部全体を密に結紮して(実際には両肺門部を別個にペアンで止める)全肺を別出する。同時に休循環系から20〜30mlの採血を行なっておく。次いで剔出肺の血管系を開放して血液を自然に滴下させる(この操作は必ずしも必要ではない)。肺を秤量して後,200ml程度の水を加えて肺のホモヂネートをつくる(Warling blenderがなければ太い気菅支を細切した後,市販のミキサーにかければ充分である)。その一部を秤量した後,乾燥法を用いて乾燥後の肺を秤量する。採取した血液も比重,Hgb濃度を測定した後,同様の処置を行なう。さらに肺のホモヂネートの一部を数回遠心分離し(この時,1%のsod. lauryl sulfateを加えるとよいが,必須の操作ではない)その上清のHgb濃度をシアンメトヘモグロビン法で測定する。そして,次式を用いて血管外肺水分量を測定する。
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