呼と循ゼミナール
心臓と運動(1)—「動的運動負荷心エコー図法」による左心機能予備力判定
杉下 靖郎
1
1筑波大学内科
pp.640
発行日 1978年7月15日
Published Date 1978/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203217
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心疾患患者診療上重要なことは,その診断と共にその心機能の状態である。心疾患には多くの種類があるが,それらは進行すれば終局は心不全に移行する。その根底の機序が心機能低下である。故に心機能判定は心不全への過程のどこに位置するかを知ることであり,心不全を予知することである。一般にそのためにNew York Heart Association機能分類が広く行われているが,これは全く自覚的なものである。心機能測定はそれを客観的に捉えることである。
心機能の考え方には主に,i)ポンプとしての心機能,ii)筋としての心機能がある。歴史的に見ると,心拍出量など前者が考えられたが,それは前負荷,後負荷の影響を受けるため,それらの影響を受けない心筋自体に内在する収縮性そのものを知りたいという考えより,後者が考えられた。心機能を知るためにはその両者共に必要と思われる。
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