呼と循ゼミナール
心臓と運動(4)—虚血性心疾患における冠予備力の判定
杉下 靖郎
1
1筑波大学内科
pp.1166
発行日 1978年12月15日
Published Date 1978/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203283
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狭心症は1768年Heberdenが記載した症状名である。その後その状態について病態生理的に想定されているのが心筋への酸素の供給と心筋における酸素の需要とのunbalanceである。狭心症の中で,安静狭心症については未だ明確でないが,労作性狭心症については,そのunbalanceは心筋の酸素需要増加があって,酸素供給がそれに追いつかない場合であると認められている。心筋酸素需要には心筋内張力,心筋収縮性,心拍数などが大きく関与するが,臨床上は運動によるものが最も実際的で理解し易い。
従来,運動負荷により労作性狭心症を誘発することにより,冠状動脈予備力(冠予備力)低下をdetectする手段として,最もよく用いられて来たのが負荷心電図法である。それは心筋虚血を検出する上に,心電図が簡便かつ鋭敏とされたからであろう。
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