Japanese
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特集 心房中隔欠損症(ASD)
二次口中隔欠損症と僧帽弁疾患
ASD and Mitral Valve Diseases
榊原 高之
1
Takayuki Sakakibara
1
1日本心臓血圧研究振興会付属榊原記念病院外科
1Sakakibara Heart Institute
pp.353-358
発行日 1978年4月15日
Published Date 1978/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203184
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心房二次口中隔欠損症(以下ASDと略す)と僧帽弁疾患との合併を最初に取り上げたのはLutembacherである。彼は1916年,ASDと僧帽弁狭窄症(以下MSと略す)の合併を一つの症候群として詳述し,以来これはLutembacher症候群と呼ばれている1)。MSは当初先天性のものと考えられていたが,その後,後天性リウマチ性病変が主体である事が判明してきた2,3)。リウマチ性病変があれば僧帽弁逆流症(以下MIと略す)があるはずで,これも本症候群に入れるべきだとの意見もあったが4),Lutelnbacher症候群とは,ASDとMSの合併した症候群であるとの見解が支配的であった5)。
ASDとMIの合併した症例は,MSを合併する場合よりその頻度は高く,僧帽弁異常膨隆,亀裂を示す例が多い。心房中隔欠損と僧帽弁逆流症の合併と言えば,心内膜欠損症が有名であるが,ここで問題にしているのはすべて二次口欠損である。僧帽弁異常膨隆は近年の診断技術向上と共に,ASDに合併する頻度は意外に多いとの報告が出され,ASDと僧帽弁疾患の合併が新たな興味を引いている。
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