Japanese
English
呼と循ゼミナール
動脈動脈塞栓症
arterioarterial embolism
小林 宏
1
1東京大学第1外科
pp.172
発行日 1978年2月15日
Published Date 1978/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203164
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動脈塞栓の約90%が心源性とされているが最近10年間に粥状硬化症に基因する動脈動脈塞栓症が認識され,その頻度は以前考えられていた以上に高いものと推測される。
本症は潰瘍化した粥状硬化斑から砕片が遊離したり,内膜面に付着した血小板—フィブリン血栓が剥離したりして塞栓を生ずると考えられている。この微小血栓がどの程度再吸収されるか不明だが,Warren & Valesの実験的観察によれば,塞栓をおこした粥状物質は24時間後にはコレステロール結晶を残して消失し,残存するコレステロール結晶も1週間後には一側に偏して存在し,再疎通がおこり,かなり急速に血流が回復する可能性を指摘している。
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