呼と循ゼミナール
心不全の治療(2)—静脈還流量コントロールの意義
杉本 恒明
1
1富山医科薬科大学内科
pp.933
発行日 1977年10月15日
Published Date 1977/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203117
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うっ血性心不全治療のためには利尿薬を用いる。ことに急性左心不全では患者の上半身を高くし,ときには潟血,四肢の緊縛を試みる。これらは何れも心臓への静脈還流を制限してうっ血を寛解することを目的とする。そこで考えてみたいのは,第1に静脈還流量の制限は心拍出量を減少させて心不全時の低心拍出量状態を一層悪化させないかということであり,第2にはこれらの処置はうっ血を除くだけの対症的なものであり,心筋機能改善に資するものではないとみるべきかという点である。
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