呼と循ゼミナール
血液ガスと呼吸(10)—換気の定量的評価:Multiple factor theory
本田 良行
1
1千葉大学生理学
pp.798
発行日 1977年9月15日
Published Date 1977/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203099
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血液ガスの換気に及ぼす影響について,定量化の道を開いたのは,J. S. Grayである。彼は, Po2, Pco2, pHの各々が独立に換気を刺激すると考え,得られる換気は,それらの代数和で表わされるとした。このように3つの要因を皆呼吸刺激として認めるという立場から,この主張はMultiple factor theoryと呼ばれる。
ここで,VRは安静時における換気量を1とし,観察された換気量との比で表わされる。たとえば,VR=2であれば,換気が倍増していることを意味する。Hは,nanomolで表わしたH+濃度である。(1)式から,HとPco2の増加は直線的に換気を増加させ,Po2の低下は指数関数的にVRを増大させることがわかる。
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