Japanese
English
原著
心筋切除後の生体に及ぼす影響
Influence of excision of left ventricular aneurysm or asynergy following to myocardial infarction
遠藤 真弘
1
,
小原 邦義
1
,
中島 昌道
1
,
関口 守衛
1
,
林 久恵
1
Masahiro Endo
1
,
Kuniyoshi Ohara
1
,
Masamichi Nakajima
1
,
Morie Sekiguchi
1
,
Hisae Hayashi
1
1東京女子医科大学付属日本心臓血圧研究所
1Tokyo Women's Medical College, Heart Institute of Japan
pp.725-733
発行日 1977年8月15日
Published Date 1977/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203092
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心筋梗塞の急性期から慢性期に至るまで,種々の目的の為に心筋切除術が研究されてきた。
急性心筋梗塞ではintractable heart failureを目的にHeimbeckerl)らにより実験および臨床例が施行された。また,intractable arrhythmiaの除去を目的にSakakibara & Hiratuka2)らが実験犬で,急性期の心筋切除により心室細動閾値が上昇することを立証した。また,急性期の致死性合併症の一つである心破裂の治療手段としての心筋切除が成功している例も散見される3)。しかしながら,心破裂に対する例は例外として,急性期に対する心筋切除術は状態の劣悪さに加えて,切除後の内腔の狭小化や技術的にも問題が多く,その成功率はきわめて悪い。今日では急性期には切除せず積極的にaortocoronary bypassを施行し,心筋を温存したりあるいはIABPによる補助循環をする方がより妥当性があると思われる。
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