呼と循ゼミナール
Bioprosthesisによる心臓弁置換(2)—Carpentier-Edwards弁とHancock弁
前田 肇
1
,
堀 原一
1
1筑波大学臨床医学系外科
pp.690
発行日 1977年8月15日
Published Date 1977/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203084
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Bioprosthesisは前号(1)で述べたごとく,豚大動脈弁をグルタールアルデヒド(GA)で処理することにより,分子間の配列を乱すことなく,弁尖組織蛋白のアミノ基間に架橋結合を形成し,組織蛋白を高分子複合物として弁尖の強化と抗原性の除去をはかったものを支持枠に縫着したものである。現在Edwards LaboratoriesとHancock Laboratoriesの2社からそれぞれCarpentierEdwards弁(C-E弁), Reis-Hancock弁(H弁)として工場生産されており,種々の大きさの弁が自由に入手できるようになっている。C-E弁は欧州と本邦の一部で使用されているにすぎず,その使用数は少ないが,H弁は米国において20,000例以上使用され,従来のmechanical valveより優れた遠隔成績を示しつつある。
C-E弁とH弁では多少の相異があり,遠隔成績の結果が興味あるものである。C-E弁のMitral Model 6611とAortic Model 2611(旧C-E弁)では0.65%GA処理に先立って,メタ過ヨウ素酸ナトリウムによる酸化を行なっている。
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