Japanese
English
特集 冠動脈造影
冠動脈造影判読のstandardとそのエラー
Coronary arteriography--Diagnosis and Pitfalls
秋吉 俊則
1
,
大北 泰夫
1
Toshinori Akiyoshi
1
,
Yasuo Ohkita
1
1久留米大学木村内科
13rd Dept. of Int. Med. Kurume Univ. School of Med.
pp.285-292
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203030
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選択的冠動脈造影および左心室造影は,虚血性心臓病の臨床検査法として,冠動脈の形態学的病変と,左心室の運動形態を客観的データとして与え,鑑別診断,リハビリテーションプログラムへの応用,自然歴の調査などに広く利用されるに至っている。また虚血性心疾患の外科的療法としてのAorto-Coronaryバイパス手術や心室瘤切除術には不可欠のものである。これら冠動脈および心室造影の読影にあたっては,一定の基準が必要なことは単に自然歴あるいは内科的,外科的療法の成績比較に際してだけでも必要なことは言うまでもない。冠動脈造影の読影の基準としては多くの場合,正常状態の冠動脈(通常狭窄されている部分より中枢側の大きさ)の内径の何%が狭窄されているかという方法がとられている。Friesinger1)は内腔の面積の狭窄程度を使用しているが,理論的には血流の通過障害を知るのが目的であるので,面積で表現するのが正しいと思われるが,実際に造影されたものは平面に投影されたものであり,更に冠動脈内腔は,常に円形をもって狭窄されるとは考えられず扁平に狭窄されることも多い。従って現在は内径の狭窄程度によって表現される方法が広く使用されるようになった。
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