Japanese
English
特集 冠動脈造影
冠動脈造影の手技とそのエラー
Coronary arteriography--Technique and Errors
鷹津 文麿
1
,
山口 洋
1
Fumimaro Takatsu
1
,
Hiroshi Yamaguchi
1
1虎の門病院循環器科
1Toranomon Hospital
pp.279-284
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203029
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冠動脈造影法は今や虚血性心疾患の確定診断には欠くことのできない重要な検査法として多くの大学病院あるいは市中の大病院で施行されるようになって来た。確かにこの検査法の出現は,従来の心電図あるいは血清酵素値の分析のみで知りえなかった病態が具体的に把握できるようになり,この分野において画期的な進歩をもたらしたことは事実である。特に冠動脈外科の発展には絶対不可欠な検査法としてますます盛んになりつつあるのが現状である。
しかし,このように急速に普及しているこの検査法もその背後に重大な問題をかかえ,現時点ではその普及がかえって罪悪にすらなっているといえる現状も見逃すわけにはいかないのである。如何なる医療検査でも技能知識の不足による,また不完全,不適合な装置器具を用いることから生ずる誤診と患者への損傷は常につきまとうものであるが,冠動脈造影法(左室造影法を含む)は観血的検査法であるばかりでなく心臓の最も重要かつ危険をはらむ部位の検査法であるために,そこから生ずる合併症もきわめて重大な問題となって来るのである。
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