呼と循ゼミナール
マクロショックと心室細動
丹治 康浩
1
,
堀 原一
2
1東京女子医科大学理論外科
2筑波大学臨床医学系外科
pp.212
発行日 1977年3月15日
Published Date 1977/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203020
- 有料閲覧
- 文献概要
血管内あるいは心腔内に直接挿入された電極または導電性物質から心臓へ直接電流が流れこんだ場合これをミクロショックと呼ぶ)には,微弱な電流により心室細動が発生する。また体外より電流ショックをうけた場合(これをマクロショックと呼ぶ),生体の反応は電流の強さにより種々異なるが,心室細動の発生は非常に重大な問題である。そこでここではマクロショックによる心室細動発生について述べてみよう。
生体が電撃ショックを受けた時,死亡の原因となる因子として,(1)心室細動,(2)呼吸停止,(3)窒息死が考えられる。すなわち心臓を含む通電経路に多くの電流が流れた場合には心室細動死が考えられ,また呼吸麻痺は脳の呼吸中枢に直接電流が流れた場合,または呼吸中枢への求心性神経の刺激によって反射的に起こる場合がある。窒息死は電流通過による呼吸筋麻痺あるいは胸壁筋の強直による呼吸運動障害などによる。このうちでも心室細動による死亡が大部分である。
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.