呼と循ゼミナール
血液ガスと呼吸(7)—中枢化学受容野のモルフォロジー
本田 良行
1
1千葉大学生理学
pp.490
発行日 1977年6月15日
Published Date 1977/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203058
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今日,脳表面局所への灌流液H+,Acethylcholine,Nicotineの塗布などによる呼吸刺激,Procaine,Cold block,Coagulationなどによる呼吸抑止などの実験結果から,図1に示したような延髄腹側表層に中枢性の化学感受性部の存在することがよく知られている。欧米の著明な教科書にさえ,これを中枢化学受容器(Central chemoreceptor)として記載されつつある。しかし,生理学的にこの部がたしかな受容器であると断言されるには,まずその部が受容器としてどのような特殊形態をもち,ついで受容器からの特殊信号がどのように呼吸中枢に伝えられるかが明らかにされなければならない。
図のM野は,Mitchellら,L野はLoeschckeらによつて発見されたpH sensitiveな受容野である。SはSchläfkeらによって見出された部で,MとL野からの情報が集合して呼吸中枢に向う部分ではないかと推定されている。
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