Japanese
English
特集 Large airwayとSmall airway
末梢肺損傷症候群(DLS)の提唱—末梢肺領域障害への臨床的アプローチ
Syndrome of distal lung lesion (distal lung syndrome, DLS)
横山 哲朗
1
Tetsuro Yokoyama
1
1慶応義塾大学医学部内科学教室
1Dept. of Med., Keio Univ. School of Med.
pp.581-587
発行日 1976年7月15日
Published Date 1976/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202921
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近時,small airway diseaseその他の概念で表現される,いわゆる末梢気道の病変に関する研究が集積されるに伴なって,これら疾患が決して珍らしい存在ではないこと,これら疾患の少なからざるものが肺の線維化など,非可逆性の肺の損傷に関連を有すること,あるいは治療対策上,いわゆる閉塞性肺疾患とは,いささか異なる位置づけをなすべきことが明らかにされるにいたり,注目される肺疾患とみなされるようになった。ことに肺の気腫化・線維化など肺の退行性変化との関連の下に,これら一群の疾患の病像・病態を解明することは,いわゆる肺の老化の問題にも通ずるものがあり,呼吸路病変にとっての大命題に直結する重要課題である。
さて,上気道central conducting airwayの病変,ことにその閉塞性病変については長年にわたって多くの研究がなされてきたが,末梢気道・肺胞系の病変についてはその疾患概念についてさえも多くの未解決の問題をかかえているのが実状である。
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