Japanese
English
綜説
心不全とマグネシウム代謝
Magnesium metabolism in heart failure
佐藤 恒久
1,2
Tsunehisa Sato
1,2
1自衛隊中央病院循環器科
2東京慈恵会医科大学第2生理学教室
1Central Hospital, Japan Self Defense Force
pp.389-393
発行日 1976年5月15日
Published Date 1976/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202899
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マグネシウムは,1808年,Humphrey Davyによって最初に同定されて以来,生物界に広く分布していることが知られるようになった。実際,人体内の含有量も多く,血漿,組織間液などの細胞外液では,陽イオンとして第4位を占め,さらに細胞内液では,カリウムについで多く,この二者で,陽イオンの大部分を占めていることは,細胞にとって何らかの役割を果していると考えるのは当然といえよう。事実,細胞膜あるいは細胞内酵素の活性化に補酵素として関与していることは多数の研究によって実証されている。近年原子吸光計が開発され,陽イオンの定量が容易になったこともあり,心不全とマグネシウム代謝との関連性についても多くの報告がなされるようになった。そこで今回は,これらの報告を基にして心不全におけるマグネシウム代謝,さらに強心配糖体,利尿剤の影響,マグネシウム投与法について,動物実験の報告も参考にして,マグネシウム欠乏症と,その機序についての綜説としたい。
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