呼と循ゼミナール
心室細動と交流刺激
丹治 康浩
1
,
堀 原一
1
1東京女子医科大学心研理論外科
pp.388
発行日 1976年5月15日
Published Date 1976/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202898
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最近の医用電子機器の普及にはめざましいものがある。それらの機器使用による偶発事故もありうるので,生体に対する安全性は確保されなければならない。特に心臓カテーテル法,心腔内心電図誘導,ペーシングなどの普及に伴い,それらのカテーテル,電極または導電性物質から心臓に直接電流が漏洩することがあり,弱い電流により心室細動を誘発する危険性が増大してきた。では一体心筋にどの程度の強さの交流刺激が加えられた場合に心室細動が発生するのであろうか。それには種々の因子が関与しているので簡単に結論は出ない。たとえば通電時相,通電時間,通電経路,電極の大きさ,通電電流の強さ・周波数,心筋の生理的状態などが加味される。
著者らはこれまでカテーテル電極および心筋針電極を用いて心室細動発生閾値(以下細動閾値と略す)を研究してきたが1),今回は通電時間と細動閾値および種々の周波数と細動閾値との関係について,興味ある所見を得ているので紹介する。
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