Japanese
English
綜説
心室細動と心筋代謝
Myocardial metabolism during ventricular fibrillation.
穴沢 雄作
1
,
水野 明
1
,
坂内 五郎
1
,
岩間 潤太郎
1
U. ANAZAWA
1
1東京大学木本外科
1Department of surgery, school of medicine, Tokyo University
pp.66-78
発行日 1957年2月15日
Published Date 1957/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200459
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緒 言
心室細動は心臓手術の際の厄介なしかも屡々発生する合併症のひとつであり,その発生機序について今日尚不明の点が多いが,適当な麻酔管理,慎重な手術操作等により,その発生は充分に予防出来,たとえ発生しても早期に適正な治療を施せば,高率に蘇生せしめ得るものである。しかし直視下心臓内手術に当つては,心室細動は極めて重要な意義を持つており,特に低体温法を応用した場合には,心室細動の発生を未然に防止することが,これを成功に導く鍵であると云っても差支ない程である。
また一方において,体外循環1),2)を応用し,あるいは低体温法3)を応用し,人為的に心室細動を発生させ,心臓を静止せしめて手術操作を容易にし,且空気栓塞の危険を減少させようという試みもある。しかしこの様な方法が実験的には一応成功するにせよ,臨床的に実用化される前に,心室細動そのものについて更に詳しく検討を加える必要があるものと思われる。
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