Japanese
English
原著
心室圧アナログ演算による心機能特性の解析—いわゆるVmax測定の問題点
Analysis of cardiac function by analog computation of left ventricular pressure--Problem in determining Vmax
清水 禮壽
1
Reiju Shimizu
1
1京都大学医学部麻酔科
1Dept. of Anesthesiology, Faculty of Med., Kyoto Univ.
pp.735-739
発行日 1975年8月15日
Published Date 1975/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202806
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
心筋収縮の力学的特性を表現する方法に,force-velocity relationがある。これは本来,摘出心乳頭筋において求められたものであるが,ヒトのintact heartにも適用されるようになった1)。最近Masonら2)は横軸に左心室内圧Pを,縦軸に左心室内圧一次微分dp/dtの左心室内圧Pに対する比dp/dt/K・P (Kは直列弾性要素の定数であり,dp/dt/K・Pは等容収縮期における左心室圧Pの時点の心筋収縮要筋の収縮速度を表わす)をとれば,心室壁の張力や厚さ,心室の形状などに関する情報を必要とすることなく,force-velocity relationと同相の関係が得られることを理論的に示し,実測した左心室圧Pおよびdp/dtから,計算および作図法によりforce (pressure)—velocity curveを描き,Pが0の時点におけるdp/dt/K・Pを外挿法により求め,これはload 0と仮定した時の収縮要素の収縮速度即ち最大収縮速度Vmaxと同じものであって,preloadやafterloadに対応する左心室拡張終期圧LVEDPや大動脈拡張期圧などの変動によって影響されず,心筋のinotropic stateの変動によってのみ影響を受けるとした。
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.