各科のトピックス 小児科から
大気汚染と「くる」病
海老原 勉
1
1昭大小児科
pp.1646-1647
発行日 1971年10月10日
Published Date 1971/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203876
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抗生物質出現以来,急性細菌性感染症は減少傾向をたどっているが,それに反して慢性疾患の増加がめだち,ことに臨床医は,かぜをひきやすい,「顔色が悪い」,「抵抗力がない」などを主訴とする乳幼児の取り扱いに悩まされている.これらの主訴は,紫外線不足から来る多雪地域の「くる」病発症前の症状に酷似しているので,筆者らは東京の糀谷地区における4カ月乳児検診に際し,左手関節のX線検査を試みたところ,図1のようなD-欠乏性「くる」病にみられる尺骨遠端部の盃状陰影を多数の乳児に発見した(表1参照).そこで,次の諸点をあげて大気汚染と「くる」病との関係を追求した.
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