Japanese
English
綜説
心不全とカテコールアミン
Cathecholamine in Heart Failure
矢崎 義雄
1
,
池田 正男
1
Yoshio Yazaki
1
,
Masao Ikeda
1
1東京大学医学部第3内科
13rd Dept. of Int. Med., Faculty of Med., Univ. of Tokyo
pp.397-404
発行日 1975年5月15日
Published Date 1975/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202759
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心収縮力が低下し,心臓が体の酸素需要に応じてそれに見合う充分な血液を送り出すことができなくなったとき,生体ではこれに対拠しようという代償機構が働き,またこの代償機構によって,いわゆる心不全状態における多彩な臨床像が形成される。うっ血性心不全の特徴的な病像は種々あるがその中で頻脈や末梢血管の収縮は交感神経緊張状態によって示される症状であり1)−4),友松らもうっ血性心不全の患者では尿中カテコールアミン排泄量の増加することを示し,心不全における交感神経緊張を生化学的に明らかにしている5)。一方交感神経の刺激が心臓の収縮力を著るしく増加することからも6)−8),心不全時における代償機序には,交感神経・カテコールアミンの関与が注目されていた。そして最近の心筋の収縮機序や心筋の収縮力学的特性における知見の進歩により,心不全の根底をなす心筋の収縮性の異常についての検討がなされ,これに関連してカテコールアミンの陽性変力作用の解明が生理学的,生化学的におこなわれようとしている。
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