今月の主題 心不全の動向
心不全の病態
心不全とカテコールアミン
山崎 昇
1
Noboru YAMAZAKI
1
1浜松医科大学・第3内科
pp.206-208
発行日 1981年2月10日
Published Date 1981/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217028
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心筋内のノルアドレナリンは図1のごとく,血中タイロシンがとり込まれて,タイロシン,ドーパ,ドーパミンを経て合成されるが,この心筋内ノルアドレナリン合成系における律速酵素(ratelimiting enzyme)はtyrosine hydroxylase(THO)である.合成されたノルアドレナリンは,最終的には特異的な顆粒構造物である粒状小胞(granulated vesicle)へと移行し,ATPと安定したcomplexをなしており,約35倍に濃縮されている.
粒状小胞の中に貯えられているノルアドレナリンは交感神経系の刺激により放出され,その一部は作動細胞のβ受容体に結合して活性を発現するが,その大部分は再び心筋の交感神経に再結合するか,循環血流へと失われていくか,catechol-O-methyltransferase(COMT)により分解され不活化すると考えられている.一方,貯蔵されたカテコールアミンは,神経細胞内に存在するmono-amine oxidase(MAO)により分解されると考えられている.
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