呼と循ゼミナール
感染性気管支炎をめぐって(続)—乳幼児および慢性呼吸器疾患患者における急性細気管支炎
原沢 道美
1
1東京大学医学部老年病学教室
pp.508
発行日 1974年6月15日
Published Date 1974/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202641
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小児科領域においては急性細気管支炎という一つの疾患単位が,比較的問題がなく用いられている。すなわち,急性細気管支炎は2歳以下の幼若乳幼児,特に6ヵ月未満の乳児をおかし,末梢気管支の炎症性変化と,その結果起こってくる細気管支より末梢の閉塞性の広汎な肺気腫と,その間に混在する小部分の無気肺のために特有な症状をもたらす疾患と定義されている。
急性細気管支炎は冬あるいは早春に多くみられ,上気道感染にまじった流行がみられるのが普通である。臨床的には,2〜3日の感冒様状態につづいて乾性の頻発するせきがあり,呼吸促迫,チアノーゼが出現し,ときには高度の喘鳴がある。発熱は必発ではない。
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