Japanese
English
綜説
病態生理よりみた飽和潜水
Patho-physiological Aspects of Saturation Diving
梨本 一郎
1
Ichiro Nashimoto
1
1東京医科歯科大学医学部衛生学教室
1Department of Hygiene School of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
pp.100-107
発行日 1974年2月15日
Published Date 1974/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202586
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潜水作業が深くなるにつれ,潜水病(減圧症)を防ぐため,潜水時間に対し必要な浮上時間が飛躍的に増加する。その結果,潜水作業の能率は大幅に低下し,はなはだしい場合には実用上不可能となる。そこでBondは潜水時間が一定以上になれば,体内に溶解する不活性ガスが飽和することに着目し,浮上時間を相対的に減少させる方法を考案した。この方法は,飽和潜水(saturation diving)とよばれる。
彼は実験用高圧タンクを用いて1957年よりGenesisと命名された一連のsimulated saturation divingの実験を,動物やヒトを用いて実施し,その可能性を立証した1)。それ以来,これを応用して表1に示すような多くの海底居住実験が成功裡に進められ,また商業潜水にも一部利用されるに至っている。
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