Japanese
English
Bedside Teaching
心臓瘤—左室瘤:そのnonaneurysmal akinetic, dyskinetic areaを含めて
Cardiac Aneurysm
北村 惣一郎
1
,
川島 康生
1
Soichiro Kitamura
1
,
Yasunaru Kawashima
1
1大阪大学医学部第1外科学教室
11st Department of Surgery, Osaka University Medical School
pp.1047-1053
発行日 1971年12月15日
Published Date 1971/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202337
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心臓瘤はきわめてまれに外傷,原発性心筋疾患を原因として,またdiverticulumの形をとって先天性にみられるが,ここでは最も普通に認められる冠動脈疾患を基礎として発生した左室溜について述べる。左室瘤という言葉は解剖学的な用語で,その定義に関して明確なものはないが,一般に左心外縁の異常な限局性の突出を意味している。しかし,この解剖学的な名称とその異常が示す生理学的な異常を関連させて考える時いささか使用し難い。そこでもっと生理学的に左心室の異常な全体として協調性のない収縮patternを総括しHarrison1)はasynergyという言葉を使用した。Hermanら2)はこのasynergyを左心造影により判定しうる4つのsubtypeつまりakinesis, dyskinesis, asyneresis, asynchronyに分類し,より的確に左心の異常収縮patternを示した。これらの異常な左心の収縮patternはいわゆる左室瘤に認められるが,逆にakineticあるいはdyskinetic areaは必ずしも解剖学的な左心瘤を形成するものではない。しかし,解剖学的に明らかな"瘤"の形成の有無にかかわらず限局性のdyskinesisそして最近akinesisもまた同様な左心機能の異常をもたらすことが認められている3)。
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